臼(うす)と杵(きね)でもちつき
こんにちは。けいこころです。
毎年、大晦日にわたしの実家ではもちつきをします。福井ならではの方式というわけではないですが、福井の実家で年末行事になっているので紹介します。
工程としては、もち米を蒸す、つく、丸める、(食べる)の順です。我が家では3回にわけてもちをつき、最後の1回だけをその日に食べます。だから工程の食べるはカッコにしました。はじめの2回は丸めて木箱に入れ、正月のお雑煮として食べます。
各工程について書いていきます。
もち米を蒸す
もち米は、蒸す前に一晩水につけておきます(わたしはしていません)。そのもち米を薪ストーブで蒸します。お湯が入った大きな釜の上に蒸し器をのせ、90分蒸します。釜にお湯がなくなってきたらお湯を足します。水を足すと、釜の温度が下がってもち米を蒸すのに支障が出るので同じ温度のお湯を足していました。
1回に蒸すのは2升です。蒸し器は2段に重ねて蒸していました。
もちをつく
蒸したもち米は蒸し器ごと臼(うす)まで運び、ひっくり返してもち米を出します。とても熱いのでやけどに気を付けます。
もちをつくのは父がやります。数年前までは祖父がしていましたが、年のせいで腰が痛くなってきたのでもちつきはしません。そのかわりに今回は、わたしの弟が初めてもちつきをしました。弟が言うには、杵(きね)の重さは5キロくらいということです。わたしは振り上げるどころか、持っているのも難しかったです。
もち米が臼に用意できたら、はじめに臼の周りをまわりながらこづきます。いきなり杵でつくと、米が飛び散るからです。はじめにこづいて粘り気を出し、まとまりがでてきてからつき始めます。
もちをつくときには、杵でつく人と、横でもちを返す人が必要です。手に水を付けながら息を合わせてもちを返します。もちを返す人を臼取り(うすとり)といいます。臼取りは母です。タイミングを合わせて、手をつかないようにします。もち米の粒がなくなって、表面が滑らかになるまでつきます。
もちを丸める
もちがつけたら、もちとり粉をまいた容器にもちを出して手でちぎっていきます。もちを丸める人は手にもちとり粉をつけて、もち同士がくっつかないようにします。丸めたもちは杉の木箱に並べます。
もちを並べている木箱のことを、福井弁では「もろびた」と言うそうです。年配の人しか使いません。わたしは知りませんでした。
丸めたもちは乾燥させます。
もちを食べる
3回目につくもちは、半分を草もち、半分をその日に食べる用にします。草もちは1個ずつ丸めずに、木箱に広げて切りもちにします。
あと半分のつきたてのもちは、きなこと大根おろしで食べます。大根おろしはしょうゆで味付けしておきます。一口サイズにちぎって、からめます。小さいときは大根おろしが好きではなかったのですが、最近はさっぱりしたおいしさがわかるようになりました。
最後に
家でついたもちだと、さらにおいしく感じます。年末に3世代の家族が一緒に時間を過ごせるのは、当たり前のようで貴重なことです。この時間を大切にしたいと思います。
それでは、あなたに福がありますように。